「風邪は治ったはずなのに、咳だけが長く続く……」 「夜寝ようとすると、急に咳き込んでしまう」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実はその原因、喉や肺そのものだけでなく、それらを包み込んでいる**「肋骨(胸郭)」の広がりすぎ**にあるかもしれません。
今回は、呼吸の仕組みと、私たちが無意識にやってしまいがちな「肺に負担をかける習慣」についてお伝えします。
1. 呼吸の主役は「膨らむ」と「縮む」のリズム
私たちは毎日無意識に呼吸をしていますが、肺が自力で動いているわけではありません。肺を囲んでいる**肋骨(胸郭)**がカゴのように動き、それに合わせて肺が伸び縮みすることで空気が入れ替わります。
- 吸う時: 肋骨が外に広がり、肺に空気が入るスペースを作る
- 吐く時: 肋骨が内側に締まり、肺を押しつぶして空気を外に出す
この「広がる・縮む」の連動がスムーズにいくことで、私たちは深く、楽な呼吸ができます。
2. 「万歳して寝る」のが肺の負担になる理由
意外かもしれませんが、**「両手を頭の上に上げて寝る(万歳のポーズ)」**習慣がある方は要注意です。
手を上げると、物理的に肋骨が強制的に引き上げられ、広がったままの状態になります。一見、胸が開いて楽そうに思えますが、実はこれが肺にとっては大きな負担になります。
なぜ負担になるの? 肋骨が広がったまま固定されると、肺が「縮む」ための余裕がなくなってしまいます。常にパンパンに膨らんだ風船のような状態になり、炎症を起こしている肺にとっては、かえって刺激が強くなり、咳を誘発しやすくなるのです。
3. 体が求める「起座呼吸(きざこきゅう)」
咳がひどい時、横になるよりも「座っている方が楽」と感じたことはありませんか? これを起座呼吸と呼びます。
体を起こすことで、重力の助けを借りて横隔膜が下がり、肋骨周りの筋肉や膜がより機能的に動けるようになります。肺の圧迫が取れ、最も効率よく酸素を取り込める姿勢を、体は本能的に選んでいるのです。
4. 呼吸を楽にするためのセルフケア
肺の機能を良好に保ち、咳を鎮めるためには、肋骨周りのしなやかさを取り戻すことが大切です。
- 「吐く息」を意識する: 吸うことよりも、しっかり「吐き切る」ことを意識しましょう。強く息を吐くことで、広がりすぎた肋骨を内側に締める筋肉が鍛えられます。
- 寝る時の姿勢を見直す: 手は上げず、脇にゆとりを持たせて体の横に置くか、抱き枕などを使って胸が反りすぎないように工夫してみましょう。

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