「一度捻挫をするとクセになる」という言葉を耳にしたことはありませんか? 湿布を貼って安静にし、足首の痛みは引いたはずなのに、またすぐにグキッとやってしまう……。
実は、捻挫を繰り返すのは「足首が弱いから」だけではありません。身体の土台である**「骨盤」**に根本的な原因が隠れていることが多いのです。
なぜ足首の治療だけでは不十分なのか
捻挫をした際、多くの場合は腫れている足首だけに注目して治療を行います。しかし、構造医学の観点から身体を一つのユニットとして捉えると、足首の問題は骨盤の状態と密接に連動していることがわかります。
足首だけをケアして骨盤のゆがみや機能不全を放置してしまうと、歩行のメカニズムが狂ったままになり、結果として「捻挫しやすい足」が作られてしまうのです。
骨盤から始まる「脚の短縮」のメカニズム
では、なぜ骨盤が捻挫に影響を与えるのでしょうか。その鍵は**「関節の締まり」**にあります。
- 関節の連動: 骨盤の関節(仙腸関節など)が締まりすぎて遊びがなくなると、その影響は下へと伝わります。連動して「股関節」「膝関節」「足関節」も順々に締まっていきます。
- 総長距離の変化: 関節の間(関節腔)が狭まることで、脚全体の長さ(総長距離)が、本来あるべき状態よりもわずかに短くなってしまいます。
「地面があるはずの場所に、足がない」というミス
人間が歩くとき、足裏は以下の順番で接地するのが理想的です。
- 踵(かかと)から着地
- 足の外側(小指側)へ荷重が移動
- 最後に親指で蹴り出す
しかし、骨盤の影響で脚の総長距離が短くなっていると、脳が想定しているタイミングよりも**「地面が遠く」**なってしまいます。
地面があると思って足を下ろした瞬間に、足が届かず、バランスを崩して小指側から急激に着地してしまう。その結果、足首が内側に強く入り込み、外側の靭帯を痛めてしまうのです。これが「捻挫を繰り返す」物理的な正体です。
まとめ:根本から改善するために
「捻挫はクセになる」のではなく、**「捻挫しやすい構造のまま放置されている」**のが実情です。
何度も捻挫を繰り返してしまう方は、足首のサポーターや筋トレに励む前に、一度ご自身の骨盤に目を向けてみてください。骨盤の関節を適切な状態に整え、脚の長さを正しく機能させることこそが、捻挫の連鎖を断ち切る一番の近道です。
当院では、足首の痛みはもちろん、その根源となる骨盤の調整を行い、歩行の質から変えていく治療を大切にしています。

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