腰痛や股関節の痛み、あるいは「体がグラグラする」ような感覚。 その背後には、骨盤の構造的なバランスが崩れる**「骨盤環(こつばんかん)不安定症」**が隠れているかもしれません。
今回は、人体を力学的に捉える「構造医学」の考え方を交えて、骨盤の重要性を紐解いていきましょう。
1. 骨盤は「重力」を受け止める要(かなめ)
構造医学では、人間を「重力の中でバランスを保つ構造体」と考えます。その中心にあるのが骨盤です。
骨盤は、中央の**「仙骨」を、左右の「腸骨」**が挟み込むような形で「環(わ)」を作っています(=骨盤環)。
- アーチ構造の役割: 骨盤は、橋のアーチと同じような役割を果たしています。上半身の荷重を二手に分け、左右の脚へとスムーズに逃がす「力の分散装置」なのです。
この環がしっかり噛み合っていることで、私たちは重力に対して真っ直ぐに立つことができます。
2. なぜ「不安定」になるのか?(力学的な視点)
骨盤環不安定症とは、このアーチ構造のどこかに「たわみ」や「ガタつき」が生じた状態です。
- 偏った荷重: 片足立ちや足を組む癖により、左右非対称な力がかかり続けると、環のつなぎ目(仙腸関節など)に負担が集中します。
- 潤滑の不全: 構造医学では、関節が適切に圧力を受けることで滑らかに動く(潤滑)と考えます。姿勢が悪いとこの圧力が逃げ、関節の動きが「不安定」になります。
- 外力の衝撃: 尻もちをつくなどの強い衝撃は、この精巧なアーチ構造を一瞬で歪ませる原因となります。
- 生理的な変化: 妊娠・出産による靭帯の緩みや加齢も、構造的な安定性を低下させます。
3. 構造を立て直すために:放置は禁物
骨盤の安定性が損なわれると、体は他の部分(筋肉や背骨)で無理にバランスを取ろうとします。これが二次的な腰痛や肩こり、ひいては内臓の不調につながることもあります。
改善へのアプローチ
- 重力軸を整える: 正しい歩行や姿勢を意識し、骨盤に正しく荷重がかかるようにします。
- 筋力による補強: 骨盤を内側から支えるインナーマッスルを整え、構造を維持する力を高めます。
- 専門的な調整: 整体療法や構造医学に基づいた処置により、関節の「潤滑」を促し、本来の適合性を取り戻します。
まとめ
骨盤環不安定症は、単に「骨が歪んでいる」だけではなく、**「重力に対する耐性が弱まっている状態」**と言い換えることができます。
適切な治療と日々の姿勢改善で、重力に負けない「安定した土台」を取り戻しましょう。

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